時間堂からの大切なおしらせ [2016]
敗北宣言
私は冷却期間をいただきます。劇団員個々は演劇活動を継続するひともいると思います。これからも応援をしていただければ、とてもうれしいです。
時間堂が解散する理由は色々とありますが、最大の理由は、先頭に立って時間堂をひっぱっていく情熱を持った人間が、いなくなってしまったことです。もともとは私が担っていた役割でした。みんなで時間をかけて話し合い、試行錯誤の末の結論です。
自分のことを書かせてください。あるときから、演劇は戦いだと思うようになりました。負けないように、勝つように、がんばってきました。客席全員皆殺しだ、みたいな主題で作品を作っている時期もありました。
でも、何と戦っているんだろう。観客と? 劇評家と? 他の作家たちと? 劇団員と? 日本と? 世界と? 個人と? 社会と? 自分自身と? 私は演劇を戦いだと勘違いして、敵ではない対象と戦い、勝手にオーバーヒートして、自分自身に敗北して情熱を失いました。演劇は戦いではない。というのが、いまの結論です。
他にも解散の理由はありますし、これという単純な理由で説明できることがらでもないのですが、私がいま一番大きな解散の理由だと思っていることを書きました。
12月31日までは、時間堂は続きます。9月10月のレパートリーシアター、12月の解散公演。「時間堂とはなんなのか」私にもそれは分かりません。身勝手なお願いですが、最後の演劇活動を見守ってそれを体験していただければ、幸いです。
時間堂 堂主 黒澤世莉
解散にあたって
解散について思いの丈を語るのはまた別の機会として、今後のことを少しだけ書かせていただきます。
年内は、9月と10月のレパートリーシアターと、12月の解散公演を開催します。11月は、12月の公演に向けての準備期間とします。年始に「毎月上演」を謳ったレパートリーシアターですが、変則日程となることをお詫び申し上げます。その分、12月の解散公演をロングラン上演します。
2017年以降ですが、「十色庵」という場所と名前は残していこうと思います。「合同会社時間堂」も、その運営母体として存続する予定です。ただ、「演劇をつくる団体」としての「時間堂」は、2016年12月31日でおしまいです。
残り4か月ちょっと、時間堂の集大成として胸を張れる演劇づくりをしてまいります。十色庵で見届けていただけたら嬉しいです。
時間堂 プロデューサー 兼 合同会社時間堂 代表社員 大森晴香
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